約 1,853,707 件
https://w.atwiki.jp/rockyou11/pages/85.html
種類:ブーツ 装備可能クラス:D AC-2 重さ:15 材質:布 特殊:安全圏6、DEX+1 ACや攻撃面(主に遠距離攻撃と総合命中)でシャドウブーツに勝るものの、少ないHPを補いたいダークエルフには総合的にシャドウブーツに劣る。
https://w.atwiki.jp/galgerowa/pages/38.html
その少女、危険につき ◆KZj7PmTWPo 東方に聳える廃墟となったアパート群。 人工的な光が一切届かない集合住宅は幾重にも連り、闇色に染まった外見が一層と不気味さを際立たせる。 五指では到底足りぬほどに居並ぶアパート達は、皆例外なく磨耗し、老朽化していた。 元は白磁のような眩い程の外壁であったはずが、今では灰色に薄汚れて見る影も無い。 おまけに、付着した苔や絡みついた蔓が好き勝手に増殖している。その外観が、建物を永らくの間放置していたことを証明していた。 巷で馴染まれた名称を付けるのならば、人が寄り付かない幽霊アパートとでも言うべきか。 いや、圧倒させる様な物々しい建造物は、昭和の趣を残す軍艦アパートとも言えた。 どちらにしろ、見ていて気持ちの良いものではない。 遠目からでも月光による僅かな光量のみで、そんなアパート群の様相が窺えるのだ。 その光景を少年――相沢祐一が薄気味悪そうに眺めていても不思議ではない。 (――いかにもな、アパートだな……) 廃墟に怪奇現象は付き物だと思っているのか、祐一は気乗りしないままに歩を進めた。 決して少なくはない人間が暗所に恐怖心を催されるものだが、生憎と彼の性根はそこまで繊細ではない。 祐一という人間は、寝静まった学び舎に躊躇なく忍び込んでしまう程図太い精神の持ち主であるからして、今更暗闇で慄くほど可愛くは無いのだ。 ならば何故、若干気落ちした表情を浮べ、且つ廃墟のアパート群に自ら進んで向かうのか。 (まあ、近辺見渡してもココしかないからなぁ……夜を明かす場所が) つまりは寝床の確保である。 本来ならばもう少し健全な場所に腰を据えたいのだが、夜間で視界がまともに機能しない以上は迂闊に歩き回ることも出来ない。 彼とて状況に困惑しているのだから、一度気を休める場所で熟考を重ねたいのだ。 そんな止むを得ない理由から近場の住居を選択するつもりだったのだが、眼前に聳え立つのは既に住居とは言い難い建造物。 つまりは、この古びた廃アパートである。 気が付いたらアパート群が都合良くも存在していたので、歩き回らないという最初の方針に従うのならば他に選択肢はない。 正常な神経の持ち主ならば、このような不気味極まりないアパートで、一夜を共にすることが憚れて止まないのは当然なのだ。 一棟で三、四階層を誇る集合住宅の群が物騒な要塞に見えてしまい、祐一は圧倒された様子で息を飲み下す。 それでも恐る恐るとは行かずとも、極めて慎重な足取りで半ば崩れかかった玄関口を潜る。 内部は更なる暗闇によって視界が閉ざされ、鼻に付く埃と湿り気を帯びた空気が祐一の顔を顰めさせた。 彼は一度足を止め、少しでも夜目を利かそうと周囲を睥睨する。 相変わらず薄汚れた内装だが、良く目を凝らすと至る所に生活の痕跡を発見した。 集合住宅らしい複数の郵便受けや剥がれた表札、コンクリートに転がる加工食品の残骸や児童の遊具などである。 祐一は地面に転がる遊具を何気なしに手に取った。それは、砂場で使用するプラスチックの小さなシャベルだ。 幼少時代に遊具として使用した記憶が蘇り、一時状況も忘れて懐古する。 色が滲んだシャベルにスッと中指を滑らせると、触れた表面が真っ黒に染まった。 柄本の磨り減り具合からして随分と使い込まれてはいたが、それ以上に放置されていた時間の方が長いようだ。 人工的な住居なわけだから、規模からして嘗ては数十世帯がここで暮らしていたのだろう。 指に取り付いた汚れを払いながら、シャベルを下あった位置へと戻して歩みを再開する。幾分か暗所に馴染んだ双眸が、上層へ昇る階段を見つけたからだ。 自身の居場所を知らされたくない故か、所々削られた石造りの段差を忍び足でゆっくりと踏みしめて二階に上がった。 上階のフロアは一般のアパートのように、狭い通路の両端に幾つかの個室が備わっている模様だ。 祐一は一番奥にある個室を目指そうと通路を進む。 その時、通過した別の個室内から物音を聞き取った。 (――なんだ……?) 本来ならば聞き逃すような微小な音を、緊張と警戒で過剰に昂ぶった神経が運良くも拾う。それは果たして幸運だったのか。 聞こえてきたであろう個室の扉を穴が開くほど凝視する。調べるか否か逡巡に駆られるも、意を決してドアノブに手を掛ける。 緊張に唾を嚥下させ、ゆっくりとした動作で慎重に扉を引いた。 だが、錆びた金具はギイッと甲高い音を高鳴らせ、沈黙を保ったアパート内に予想外の音量が木霊して響き渡る。 その耳障りな異音に表情を歪めるも、ええいままよとばかりに扉を一気に開け放った。 「――っ」 咄嗟に走らせた視線が、至極一般的な部屋の内装を捕らえた。 家具などの生活用品も未だに残ってはいたが、どれも使用不能なまでに瓦礫となって転がっている。 更に踏み込んで気が付いたのだが、先程まで淀んでいた空気が払拭されていた。朽ち果てた外壁が吹き曝しとなり、通気性を良くしていたためだ。 ただ、室内に置かれた備品の中で唯一無事であったソファーの上に、気に掛かった物音の原因がいた。 「あ?」 一室に設けられた罅割れの窓硝子から月明かりが差し込み、柔らかな光量に照らされた少女がソファーの上に踏ん反り返っていた。 彼女の両手は、支給されたであろう水の容器と食料によって塞がれていた。食事中だったのだろう。 当然、物音の原因が人間である可能性を充分に考慮していたとはいえ、まさか呑気に食事中だとは思わなかった。 そして、この光景が何時か見た既視感のようで、つい現状を忘れて感慨に浸らせる。 勿論食事中の少女にではない。月明かりの下で佇む少女の姿が重なったためだ。 (……そういえば、確か舞と遭った時もこんなシチュエーションだったっけな……) 無口で無愛想な少女との出会いが、この異常な環境に置かれている今となっては遥か昔のような情景とさえ思えてしまう。 だが、若干茫然とした祐一の目線と、憮然とした少女の目線が交差した。 その時点で、やはり類似するのは場面だけだと気付かされる。 「コラ……あに見てんのさ?」 少女の視線が狂犬のように鋭かった。 他者へと警戒を窺う排斥的な眼光というよりは、集中力を乱されて気分を害されたような様子である。 身近では、真剣に勉強していた同級生の美坂香里に面白半分に干渉した時や、漫画に熱中していた同居者の沢渡真琴に面白半分で干渉した時と状況が似ていた。 要はちょっかいを出したという訳だ。どちらにしても自業自得ではあるが、このような視線は自覚があるからこそ甘受できるのだ。 だからこそ、目の前の少女から身に覚えのない糾弾の視線を寄せられるのは一瞬戸惑ってしまうが、状況が状況であった。彼女の反応も頷ける。 険が十二分に含んだ視線の鋭さと、因縁をつける悪漢と大差ない台詞によって祐一は我に返った。 返答に適切な言葉を探していたが、その間に痺れを切らした少女は再び口を開く。 「おい、無視すんなや」 「あ、いや……。しょ、食事中だったか……?」 「…………」 急かされて衝動的に言ってから、甚だ見当違いな話題を振ったものだと気が付いた。 少女の祐一を見る目が露骨に変化する。言葉に意訳しなくとも一目で分かった。 見て分かるだろ馬鹿か? といった具合に翻訳されるのではないだろうか。 少女が下す祐一の第一印象は、どう解釈しても良好ではなさそうだ。 ともかく、切羽詰った末の質問は大変よろしくなかった。かぶりを振って今一度目線を合わせる。 「ああ、うん。見ての通りだったな。で、何なんだお前?」 だが、そこは折れても結局は祐一。 自身の非を認めたにしては随分と態度が大きかった。 そんな調子が気に障ったのか、少女は整った柳眉をピクリと振るわせる。 どうやら今ので軽く沸点に達したようで、優しく問答するつもりは毛頭ないようだ。 「あんたこそ何さ? 人の支配領域に汚い足で踏み込みやがって……この糞虫が」 「く、糞……。そういう性格かよ、お前……」 「そういう? オマエの短小定規でこの大空寺あゆ様を計ろうとする矮小な魂胆が己の無様さを醸し出してより惨めね……失笑を噛み殺すのに苦労するわ」 「…………」 余りの言い草に祐一も閉口する。お互い初対面だろうに、よくもここまで貶せられるものだ。 とんだ悪態を愉悦に含ませながら述べる様子は、少女の可愛らしい外見とは著しく乖離していた。 少女による祐一への初見の対応により、彼女の性格は最悪だと彼の理性が判断する。 祐一と親身にする人間の中には、まるっきり存在しないタイプの人間だ。 ただ、先の罵倒された台詞中に彼女の名前が含まれていたことの一点だけは、反論せず黙って聞いていて正解であった。 この手の強情な人間は、名前一つ聞き出すことにさえ苦労しそうだからだ。 ともかく、少女――大空寺あゆとの会話を成立させなくてはならない。 祐一としても、発見した人間をハイサヨナラと訳も無く別れさせるつもりは無いのだ。 改めて口に出して認識したいこともあるし、状況の把握に他者を使って確認もしたい。 今も尚、祐一を遥か彼方に見下したあゆとのこれからの会話に辟易とするが、それすらも止むを得ない事態だ。 異文化コミュニケーションの第一歩として、まずは自己紹介である。 よって、早々と名前を聞き出せたことは僥倖と言える訳だ。 「えーと……大空寺あゆでよかったよな? しかし凄い名字だな大空寺って……」 「余計なお世話だ芋野郎っ。庶民風情には高尚過ぎて理解に苦しむだろうけど――」 「という訳で大空寺、俺は相沢祐一。好きなように呼んでくれ」 「無視すんなやあぁ! てか、どういう訳よ。別に虫の名前に興味なんてないさ。あと、呼び捨てにすんなっ」 「ああ、分かった。んじゃ、今後はあゆあゆと親しみを込めて呼ぶからよろしくな!」 「聞けよ糞虫が! そもそもド底辺の便所虫がのさばって調子を――」 「――あーはいはい。糞糞ね、って今度は便所かよ……」 口は非常に悪質だが、こういった性質の輩は実のところ扱い馴れている。同居人である真琴の悪態さを当社比数倍にしたと考えればいい。 基本的に主導権を与えぬよう、畳み掛けるように応戦してやることが上策である。 幸いなことに、あゆは感情の起伏が明らかに激しい。 故に、会話が誘導しやすいのだ。血を昇らせた彼女の対処法としては、まともに取り合わずに聞き流してまえばいいのではないだろうか。 一方気をつけるべきは、逆の可能性も考慮に入れる必要がある。沸騰した分、冷めやすいと言うべきか。 反対に畳み掛けられたら、ぐうの音も許さない程ボッコボコに凹まされそうだ。それは御免被りたい。 文字通り祐一へ喰って掛かるあゆを片手でいなしつつ、早速情報のやり取りを行う。彼女には、他者を使った状況把握に一役買ってもらうことにする。 「まあ、落ち着けって。代わりに俺のこともユウユウやユウちゃんとでも呼ばせてやるからさ」 「呼ぶかっ! お前こそ訂正しろ……。私のことは、誉れ高い知勇で才色兼備且つ純情可憐なあゆ様と恐れ多くも呼ばせてやる。ほら、泣いて喜べ糞が」 「……しかしお前、口を開けば激しく損してるな……」 「あんですとーっ!?」 容貌が際立っていることは認める。 祐一の価値観から見ても、あゆは確かに誇れる程の美少女だ。口さえ開かなければだが。 彼の知人に月宮あゆという同名の少女がいるのだが、正しく性格が天と地ほどの隔たりがある。似ているのは背格好だけであった。 今にも噛み付かんばかりの様子に苦笑しながら、どうどうと刺激しない様に柔らかく宥めすかす。 「あゆと言っても……ま、別人だからな」 「あにさ?」 「何でもない。ところでだ――」 同じあゆ同士だけに、戯れることはある意味楽しいのだが、それでは何時まで経っても本題には入れない。 祐一は一度咳払いをし、再び面を上げた時には真剣な表情を浮かばせていた。 その移り変わりに、あゆも興が殺がれた様に鼻を鳴らす。 「――今回のこと、どう思う……?」 「別に。ただの殺し合いでしょ」 「いや、そうなんだが……。随分とドライだな?」 言葉にするのは憚れたので濁したつもりだったのだが、あゆが何の淀みもなく“殺し合い”という言葉を紡いだことは予想外だった。 別に歳相応な反応を求めていた訳ではない。自分と同じで、少しは状況に困惑していると思っていたのだ。 そんな祐一の疑問を斬って捨てるように、あゆは偉ぶった尊大な態度でジロリと睨みつける。 「今更右往左往したって時間の無駄よ。人が既に死んでるし、これが冗談事なら出来の良さに主催者を褒めてやってもいいさ」 「だよな。イベントにしては幾らなんでも悪趣味なわけだし。……どうにかするしかないか」 「……意外と冷静ね。顔面粘膜でグチャグチャにした方が面白いのだけれど」 「何を言い出すんだお前は……。そもそも、俺だって一応混乱してるんだぞ」 「あっそ」 訳も分からぬ内に集められ、殺し合いを強要されているのだ。 普通なら大人しく従うはずも無いのだが、現に人を殺して見せ、避けられぬ条件を課せられた以上、ルールに乗らなければ存命は保障できない。 条件の内、最大のネックは遠隔操作による爆破が可能な首輪に意志を束縛されていることだろう。 この絶対的な要因に抵抗する気力は削がれ、死を受け入れたくないのならば殺すしかないという強迫観念が無意識に生じるのだ。 数十人の参加者の中で、ルールに乗らずに共倒れを望む人間など少数派に過ぎない。最早殺し合いが行われることは既に必至となっている。 こんな殺伐とした環境下を、何事も無く甘受した人間の方が異常と言えるのではないだろうか。 その間、状況を真摯に受け止めている人間がいるのならば話は早い。泣き叫んで錯乱した状態よりかは、遥かに手間も掛からない。 第一として如何に生き延び、次いで如何に脱出するか。考えなくてはならない。 「ちなみにお前はどう思う? ここから脱出できると思うか」 「さぁ、見当も付かないわね。……それにしても無用心な男。私が殺し合いを進んで行う人間なら死んだわよ」 「ん? まぁ、な。でも、大丈夫なんだろ?」 「私に聞くな。依然に、根拠も無いのによくもまぁ近づいたものね。実は馬鹿でしょ?」 あゆの不躾な問いかけに、祐一は少なくとも自覚があるのか、肩を竦めて曖昧に誤魔化した。 彼女を安全だと判断したが、そこに深い意味はない。当てになるかも分からぬ、自身の直感でしかないからだ。 容姿や性格はともかく、自分の感性に従って物事を容赦無く斬り捨てる人間は嫌いではない。要は分かりやすくて好ましい。 あゆの場合、若干言論が行き過ぎな気もするが。 祐一は逸れた本題を戻そうと、肩に背負ったデイバックから地図と名簿を引き抜いた。 「大空寺は見たか?」 彼は名簿を軽く振って言った。 「実は名簿を見る暇が無くてな、俺はこれから見るんだが……」 「で?」 「いやなに、見たなら知り合いはいたか? 情報交換でもと思っただけだ」 言葉だけを投げかけ、祐一はすぐさま名簿を開いて目を落とした。 本来ならば名簿を第一優先で確認したかったのだが、彼が飛ばされた場所は暗い夜空の下。 闇夜の真っ只中でランタンの光を灯すのは無用心に思えたためと、先に前述した通り、気休め程度の据え置き場所を求めていた為に順序が遅れてしまったのだ。 それでも、支給品の有無はこのアパートを訪れる前に予め確認済みであった。 武器の存在に気付かずに犬死など、考えるうる限りでは最も間抜けな死に方だ。 祐一に支給された品は二つ。 一つは刃渡り二十センチ程度のハンティングナイフ。刃毀れ一つないために、切れ味は非常に良好だ。 二つ目が、送受信を兼ね備えたトランシーバー二台だ。この二台間で通信の遣り取りを行えるという便利な代物だ。一台が壊れたらその時点で鉄屑と化すことが難点だが。 そして、先送りにしていた名簿の確認も今ならば可能だ。 この一室ならば充分な月光に恵まれており、目を細めれば文字とて見えないことは無い。 名簿に視線を走らせる祐一の横では、あゆがまどろっこしい様子でデイバックに腕を突っ込んでいた。 どうやら彼女も未読のようだ。 あゆの行動を尻目に参加者の名前を順々と辿っていた祐一だが、その瞳が段々と険しくなっていった。 「――舞に北川……。佐祐理さんにあゆまで……。名雪までいるのかよ、クソっ」 ある程度覚悟はしていたが、まさか五人もいるとは思わなかった。 彼女達と同じ学び舎で謳歌していた青春を阻害されたと思うと、此度のふざけた催し事に本気で怒りが湧いてきた。 (あいつ等と殺しあえってのか? 冗談じゃない……) 冗談ではないが、それでも殺し合いの連鎖はこれから築かれていくのだろう。 勿論、祐一は彼女達の事を信用している。が、彼女達が祐一に全幅の信頼を寄せているかは疑問に尽きる。 また、選出された人間の基準が分からない。まあ、これを気にする必要はないのかもしれないが。 ともかく、彼女達の主観を知りえぬ今、迂闊だが合流する必要性も無いとは言えない。少なくとも、赤の他人よりかは安心して背中を預けることが出来る。 行動するのならば日が昇った明朝か。闇に乗じて捜索をしてもいいが、自身の不利も明瞭だ。 (さて、どうすっかな……) 頭を悩ます祐一の傍らで、熱心に名簿に目を通していたあゆが小さく声を洩らした。 自分と同じく知人を発見したのだろうと当たりを付け、良心的に気休めの言葉でも掛けようと口を開く。 「どした? 知り合いでも見つけたか?」 「あ? あぁ……ヘタレ虫を一匹程見つけただけさ」 彼女は目尻を落としながら無関心を装い、名簿を乱暴にバックへと放り投げた。 感心を寄せていない様子から、その『ヘタレ虫』とはあまり親しくは無いのだろうか。 あゆの暴言は今に始まったことではないので、実際その人物がヘタレかどうかも怪しいものだ。 ヘタレ虫なる人物の名前を聞き出したい所ではあるが、恐らく答えてはくれないのだろう。 一応、念のために―― 「ちなみに本名は?」 「関係ないだろ」 案の定だ。元より期待はしていなかった。 干渉して気分を害しても益は無いので、これ以上は触れずに別の話題を振ることにする。 「別にいいけどな。それよりも俺たちが一箇所に集められた時……殺し合いの説明をした女の人いたろ?」 「……あの傲慢ちきで鼻持ちならない陰険気質の――」 「――皆まで言うなって、てかお前が言うなって。ちなみに俺もあんな狂った女は願い下げだ。確か……そうそう。タカノだタカノ」 祐一の発言に激昂するあゆを手で遮りながら、先程繰り広げられた凄惨な情景を思い巡らせる。 あの時一人の少年が声高に叫んでいたのは、確かにあの女の名前だった。偽名かどうかはともかく、タカノに間違いは無い。 自分達は圧倒的に敵対者の情報が不足している。 祐一が現時点で予想を立てられることといえば、これだけの人数を無抵抗に集められる手腕は断じて一個人の仕業ではないということだ。 恐らく、タカノ陣営は祐一達一人一人の経歴を熟知しているに違いない。そして、こちらは何も分からない。 不利な立場に立たされた上で、如何にして情報を収集するのか。 ここで重要なのは、女の手掛かりを持ち得そうな人物。つまりは、タカノを名指しした少年だ。 十中八九、タカノと少年は同郷の知人なのだろう。 余り参考になるとは思えない微々たる情報だとは思うが、何の方針も定めずに殺し合いに乗るよりかは幾分も増しである。 たが、肝心の少年の名前が思い出せない。タカノが口走った少年の名前は、彼女よりインパクトが低い分喉奥に引っ掛ったままで吐き出せない。 「――あ~、思い出せん。タカノの知り合いの……なんだっけな……」 頭を捻らす祐一へ、ぼそりとした救いの発言が寄せられた。 「――前原」 「え?」 「だから前原よ。性悪女の名前を叫んでいたジャリでしょ? んじゃ前原ね」 ――前原……そうだ。 脳裏の片隅に残っていた名前が浮かび上がる。小骨が喉奥から取り除かれた気分だ。 タカノは利発そうな少年のことを前原君と呼んでいた。間違いないだろう。 しかし、あの状況下であゆはよく覚えていたものだ。 感心を言葉に変えて送りたい所だが、変に噛み付かれるに決まっている。――黙っておくことにした。 祐一は再び名簿へと視線を落とし、明記された名前を指でなぞっていく。 「……いた。前原圭一だな」 祐一の指が前原圭一の名前と重なった。 少しは興味があるのか、あゆも祐一の肩越しから覗き込む。 「ふん、前原圭一ね……。で? この餓鬼と合流するつもり? あの女との対応からして、碌な情報は望めないとは思うけどね」 あゆの言葉は最もだ。 前原圭一自身、タカノがこのような蛮行に走る理由すら思い当たらない様子であったのだから。 圭一が知りうる情報は、日常のタカノでしかないのだろう。だが、無知でいるよりかは、些細な情報でも知っておいた方が損は無いというものだ。 過度の期待はせず、程度の低い情報から次へと望みを繋げれば良し。 祐一は自分の考えを要約してあゆへと伝えた。 不機嫌な表情を隠そうともしないあゆだったが、最後まで異を唱えることはしなかった。彼女には無関係なのだから、当然のことだ。 「ま、精々頑張りなさい」 「そうさせてもらう」 別に行動を共にするつもりは無いのだ。初めから同意を得られるとは思ってはいない。 この話は終わりだとばかりに名簿を仕舞った祐一は、続いて地図を広げて見せた。今度は場所の確認だ。 「……ところでお前、ここが何処だか分かるか?」 「分かるわけないさ。気が付いたらこの部屋にいたのよ」 「で、呑気にパンを齧っていたと……」 「あ? なんか文句あんのか」 何気ない問い掛けに、あゆは相変わらずの喧嘩腰で答える。 ということは、彼女はここがどういう場所が知らずにいるというわけだ。 祐一の傍迷惑な悪戯心に、ふと妙案が浮んだ。他者から見れば、碌でもない閃きに違いない。 彼は広げた地図上の一点を差す。 「俺たちが今いる場所がここだ……」 「……廃、アパート群」 「ああ。所謂廃墟だ。俺が気が付いた時はアパートの周辺でな――」 一言切って、祐一は音が聞こえるようあからさまに息を呑みこんだ。 「そこでさ――見たんだよ……」 「あ、あにさ……。勿体振らずに言いなさいよ……」 「いや……その、な? 察せよ。あれだよあれ……。分かるだろ?」 何を想像したのか、あゆは頬を引き攣らせる。 雰囲気と合わさり、相乗効果となったこの手の話を平然と聞き流す女性は酷く少数派である。――そこに付け込む。 異常な状況下で間抜けで不謹慎な話をしていることは重々承知だが、それはそれだ。 一矢服いるチャンスを見す見す逃すほど甘くは無いのだ。この祐一というある意味馬鹿な人間は。 そして、ここでトドメだ。 「いやぁ、実はな……っぁ!?」 「っ!? な、なに……」 「う、うし……後ろ……!」 「ちょ、はぁ!? ふ、ふざけた冗談ほざいていると張った押すぞっ!」 祐一へ指差した方向へ促されるままに、あゆは恐る恐る振り返る。 その隙にあゆの耳元に忍び寄った祐一は―― 「な、なにも――」 「うわあああああぁぁぁ!!」 「ギャアアアァァァ――!!??」 ――容赦なく叫んだ。少女らしからぬ悲鳴も同時に響いた。 昂ぶった神経を木槌でブッ叩くかのような衝撃に、あゆは背筋を仰け反らす。 一拍の沈黙の後。一泡吹かせて硬直したあゆの光景に、祐一は満足気に忍び笑いを洩らした。 「く、くくっ……」 「ぁ、ああ……あ?」 「――ぷっ。ま、まあ気にするな。くっ、健全な反応でお兄さん、っ……涙が出るほど嬉しいぞ」 「…………」 祐一が半ば爆笑気味な中で、あゆはガクリと頭を垂らす。 まんまと騙されて恥辱なのか、祐一はここぞとばかりに彼女をなじりになじった。 気がすむまで笑い続けるが、何時まで経っても反応の無い彼女の様子に、つい訝し気に口を噤んだ。 途端、室内に不気味な静寂が訪れる。 笑いを堪えすぎて瞼に溜まった涙を拭っていた祐一の視線の先で、あゆは微塵も動きを見せない。 直感的に危機を悟った。 「って、あれ……?」 「……………………」 「お、お~い……大空寺?」 子供のように勝ち誇っていた祐一だが、あまりの無反応振りに遂には恐ろしくなってしまった。 その場限りのことに満足して、その後に起こり得る制裁を念頭においていなかったことが要領の悪さを物語っている。 退避しようと後退るが、既に後の祭り。 ――あゆの怒りの怒濤は、時間差で訪れた。 「うっ、がああああああああ――!!!!」 「――ぐあっ!」 初弾として、室内に転がる小物類が祐一目掛けて飛び交った。問答無用でブチ当たる。 「死ねやオラああああああ――!!」 「ま、まて――痛てっ、痛いって……!?」 止まらずに続いて、今度はコンクリの瓦礫や鉄筋が勿論祐一目掛けて飛び交った。これは何とか回避する。 容赦の無い、猛ったあゆの投擲攻撃に本気で身の危険を感じ始めた祐一。因果応報だ。 我を忘れた彼女は手当たり次第に投げまくり、目に付こうが付かまいがとにかく投げた。 ――故に、偶然伸ばした手が偶然“銃把”と掌を結合させ、偶然“引き鉄に”指がかかったことも全て偶然だ。 勿論その時点で投擲体制の入ってしまったのならば、勢い余って指を引いてしまうことは、既に必然なのだろう。 簡潔に言えば、暴れた影響であゆのバックから転がり出た拳銃を装備してしまったという訳だ。しかも、支給された時点で既に撃鉄も都合よく起こされているという始末。 集中殴打を喰らっていた祐一が、彼女の手に収まった鉄の凶器に目敏く気付いて泡を食う。 「ま、まま、待てっ! それは洒落に――」 「うがああああああ!!」 情けない祐一の制止の声は当然の如く無視される。 ――そして、一発の銃声が響き渡った。 「――うわっ!?」 直ぐ傍で響いた聞き慣れぬ爆音と掌を巡る衝撃の反動に、あゆは驚き余って拳銃を取りこぼす。 彼女からしたら、見覚えのない代物が何時の間にか握られていたのだから、困惑に首を傾げることは至って普通の反応だ。 あゆは、硝煙を上げて床に転がる拳銃を一瞥し、深く考えるように瞑目する。 それは数秒か、数十秒か。時間を忘れた一室は、先の騒動など意にも返さないような沈黙に包まれた。 ようやく双眸を開いたあゆは、似合わない愛想笑いを浮かべる。 「……ふふ」 「…………おい」 遮断された。 あゆの視線の先に、座り込んだ祐一が顔を全開に引き攣らせていた。 そんな彼の頭部より斜め上方数センチ先に、何やら壁を貫通したような黒点が如何してか見えた気がした。――見なかったことにする。 直視するに耐えない眼光を誤魔化すべく、あゆは気まずそうに明後日の方向へ目線を逸らす。 そして、言って出た言葉が言い逃れ。 「あ、あ~……。ふん、無様にも歯向かった糞虫を、威嚇という手段で寛大に許したあたしに感謝して欲しいものね」 「ちょっと待てコラあぁぁっ!!」 祐一が絶叫した。 攻守が反転したとばかりに飛び掛かる。 あゆは退避しようと背を向けるも、祐一は絶対に逃がさんとばかりに組み付いて両拳を彼女のこめかみに当てる。 そこから高速で拳を回転させる、所謂グリグリ攻撃だ。 「――うぉぉぉ!? あにすんだーー!!」 「そっくりそのまま返すぞ! 知らずに撃ったな? 勢いで撃ったな?」 「じょ、冗談さ……なにマジになってんの――くぉぉぉ……!?」 「冗談で、こ、ろ、す、なあぁぁ!!」 発端は祐一なので、これは逆切れに近い。 我を忘れて危険極まりない行動に走るあゆへと、要は矯正の意味を込めた躾である。 しかし、祐一は表面上、加熱して暴れまわっているように見えるが、内心ではまったく別の懸念を浮かべていた。 拳銃のことだ。実物など見たこともなかったが、彼女に支給された拳銃は確かに本物だ。間近で体感したのだ、間違いない。 自分の武器はナイフだが、拳銃はそれ以上の殺傷能力を誇る物騒な代物である。 この殺し合い、かなり大規模に繰り広げられる模様だ。提供された此度のフィールドといい、武器の配給具合といい、決して生半可な組織ではなさそうだ。 更には、タカノ陣営には不可思議な力も確認されている。 一瞬で参加者を場所移動させた奇妙な技術は、祐一達が知られざる科学技術か、もしくは川澄舞が発現させたような超常現象と同種のものなのか。 現状、絡繰りが見抜けない。祐一一人の知識や知能では情報が致命的に欠落していた。 やはりここは、複数の人間と接触を果たすべきか。各々が確立した理論とを重ね合わせ、照らし合わせることによって曖昧な情報を確固たるものに変えるのだ。 一通り暴れまわった二人は荒い息を吐き、顔面を突き合わせながら変わらぬ悪態を吐きあう。 あゆの頭部に絡んだ祐一の腕は、当の昔に振り払われていた。 猛獣のような八重歯を覗かせながら、彼女は獰猛に睨みつける。 「……このド変態が。謝罪と賠償を要求する、謝れや」 某国のような物言いである。元はと言えば祐一が稚拙な悪戯をしたことが原因なのだが、彼女も彼女でしらばくれて開き直るのも考えものだ。 それでも、彼は自身に非があることを認めているので謝罪もやぶさかではない。が―― 「……まぁ、悪かった」 何時まで経っても尊大な彼女の態度につい意地になってしまい、口調がぞんざいになっても致し方ないことだ。 無論、意地の悪いあゆがその態度を容認する訳もなく。 「はぁ? 悪かった? 何語よそれ。私は、あんたに、精神的苦痛と肉体的悪寒をそれはもう並々と負わされたのよ。……成ってないんじゃない?」 「う、ぐっ……」 水を得た魚のように、当たり前の如く絡んできた。 勢いとはいえ拳銃をブッ放したあゆへ、これ以上の譲歩は屈辱に耐えがたいのだが止むを得ない。 「ほらほら、言いたいことがあるならもごってないで明確に述べなさい。今なら惨めなあんたの敗北宣言を女神のような私が聴力を酷使して聞いてやってもいいわ」 「ぬ、ぐぐぐ……ご――」 「ご?」 「ごめんなさい……」 祐一が殊勝に謝ったというのに、あゆは哀れみの吐息を投げ掛けるばかりだ。 低重心になる祐一を、彼女はまるで路傍に転がる塵のように見下ろしている。 今のでも御気に召さなかったようだ。 あゆは偉そうに腕を組み、悪女のように口許を吊り上げさせる。まるでサディストのような妖しい笑みだ。 「駄目。全然駄目ね。許す余地を与えただけでも光栄なことなのに、豚が己の身分を勘違いしちゃってる分だけ見るに耐えないわ。ぶざけるのも大概にしなさい。 違うわよね? 慈悲深い大空寺あゆ様願わくば愚劣で卑しい犬畜生なわたくしめの哀れな謝罪をどうかどうか後生ですから聞き届けてくださいませんか……でしょう?」 「お前がふざけんな! 誰が謝るか馬鹿!」 「あ、あんですとーっ!?」 再び始まる取っ組み合い。 しかし、今回はお互い手早く矛を収めた。 静まり返ったアパート内で、幾らなんでも暴れ過ぎたと自覚した為だ。 拳銃の発砲音と二人の騒ぎ声が一体何処まで響かせたか。慎重になるならば、この場に留まるのは既に得策ではない。 祐一は広げた地図と名簿をバックに戻し、同様にあゆも放置していた食事や転がった拳銃をしっかりと詰め込んだ。 「騒ぎすぎたな……移動するか」 片付け終わった祐一の一声に、あゆは舌を打ちながらも反論はしなかった。 状況の判断が早くて助かる。彼女は非常に憎たらしいが、頭の回転は決して悪くはないのだろう。 言質に我慢すれば心強い仲間となってくれるに違いないが、先にも言ったように期待は寄せてはいない。 自分本位の人間が、メリット無しに他人の意向に従うとは思えない。 あゆの同行は半ば諦めつつ、二人並んで埃が吹き荒れる一室から退室する。 新たな寝床を探している道中、手慰みに何気なく会話を交わす。 「ここから動いていないってことは、大空寺はまだ誰とも遭遇してないわけだ?」 「あぁ……身の程さえ弁えない糞にも劣った塵虫一匹なら今も見てるさ」 「へぇ、奇遇だな。俺も傲岸不遜を絵に書いた、病んだ珍妙奇天烈生物を目撃した所だ」 「……こっち見んなや」 「お前こそ見るな」 口を開けば、相変わらずの二人であったが。 【A-4 廃アパート群/1日目 深夜】 【相沢祐一@Kanon】 【装備:サバイバルナイフ】 【所持品:トランシーバー(二台)・支給品一式】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:寝床の確保 2:協力的な参加者と接触し、情報を掻き集める(優先人物は前原圭一)。 3:出来れば舞に佐祐理、北川、名雪との合流。 4:あゆに同行を申し出るが、期待はしていない。 【備考】 トランシーバーの通信可能距離は半径2キロ内の範囲 【大空寺あゆ@君が望む永遠】 【装備:S W M10(5/6)】 【所持品:予備弾丸20発・支給品一式】 【状態:健康】 【思考・行動】 1:新たな拠点を確保し、食事の再開 2:殺し合いに乗るつもりはない。 3:現在の所、祐一を信用してはいない。 【備考】 他の支給品は不明。あゆは祐一と同行している訳ではない。行く先の方向が同じだけ。 017 Detective Life 投下順に読む 019 たかだか数十分 017 Detective Life 時系列順に読む 019 たかだか数十分 相沢祐一 064 信じる声-貫く声-偽る声 大空寺あゆ 064 信じる声-貫く声-偽る声
https://w.atwiki.jp/daiketo/pages/366.html
強化ブーツ
https://w.atwiki.jp/houseofhero/pages/2157.html
消防ブーツ チューンアクセサリーの一つで、火の靴。 消防隊も愛用する靴。
https://w.atwiki.jp/rockyou11/pages/134.html
種類:ブーツ 装備可能クラス:PKEWDRI AC-2 重さ:10 材質:皮 特殊: 軽さがウリのブーツ。 ラスタバドブーツと同性能。
https://w.atwiki.jp/newvipdeas/pages/18.html
メンバーリスト 名前 職業 サブ ひとこと ふぃりっぷぅ 盗賊 まじモグ男(預) ののむら議員(阿) 新イアVIP発起人 まじマヨ男 まつえもん 聖職者 すきえもん(吟) たまえもん(魔)きえるえもん(賊) よしのえもん(戦倉庫) 宝箱ってわくわくするよね 戦士ラムザ 騎士 あしゅらむざ(修) 初代マスター 騎士弱いけどそこが愛おしい ブーチェック 修道士 CONブック(阿) こんぶーちぇっく 南極 盗賊 ソウレイ(戦) ソウロウ(聖)レイセキ(修)北極(預)赤道(吟)めうめう(笑) セトアからきました ご立派様 修道士 いちばんかわいい ユトセトラ 盗賊 松崎しげる色(倉庫) キノクニ(聖) ぬぉーん(魔) はいりふと(戦) ふぉおwwwwwwww エランクール 預言者 JK しゃちく あるぱかん 魔術師 酒と競馬とアスガルド もうこはん 吟遊詩人 ゆんざわ(魔) やどり(戦) まるしいゆ(聖) しゃちく 吟遊詩人はじめました 山葵芥子 聖職者 聖いっぱい 元廃人 [釣り名人] 海になりたい 修道士 鮪になりたい(魔) コラ職人 海にかえります 由飛城 預言者 野菜も食べよ(修) 前衛預 ゆっ 虹色破壊光線 預言者 MasterSword(騎) 白マテリア(吟) 黒マテリア(魔) OSR(阿)まいそしあ(聖) このギルドの管理人 おれがぜんぶたおす すねげ 戦士 へそげ(聖) ゆびげ(修) becon(魔) 斧戦士 王冠の申し子 ふくらはぎ 魔術師 うちもも(賊) はなふっく(修) 復帰 ふくらはぎからなめるように上へ お布団大好き 聖職者 私とお布団(賊) オフトゥン 新規育成のプロ なまこくん 修道士 なまこさん(魔) こつこつソロガルダー オルガナおるがな ゼロ装置 戦士 Wladislaus(修) MinaHarker(吟) ゼロ裝置(賊) 復帰 革命家 ひだちつッ娘 修道士 戻ってきたはいひと ではないでうs メモ 85 炎44 大地35 蟹汁 魔術師 よく飲まれてる ごくごくwwwwwwwwwww 初めての鏡2でかるく釣りをこなす 泥まみれ 戦士 自力で21 期待の剣戦 伊集院闇 聖職者 貫禄の聖職者 大いなる冒険の旅へ ほっとレモン 騎士 ほっと柚子(聖) 復帰 IKEMEN 萌える人妻 修道士 萌える団地妻(聖) アスガルドの女神 ルーベット 騎士 復帰 ちんぽなんかに絶対負けない 抱擁 修道士 競争ゲーム奴wwwwwww 悠霧 戦士 禮霧(魔) まいりーと(吟) 復帰 斧戦士ユウム ぼんたんあめ 魔術師 復帰 あめちゃん 翠織 修道士 復帰 指輪壊せまあああああああああす 黒帝兎 戦士 お茶っこ(聖) お茶姉様(騎) その他いろいろ 最強と名高い 爆裂ロリータ 修 復帰 xクトゥルーx 魔(吟予) ファッションモンスター いつの間にか増えてるから気づいた人更新よろしゅう ひとことも書くと捗る 自分で書いてもいいぞ
https://w.atwiki.jp/mustnotsearch/pages/1461.html
登録タグ:グロ 事故 危険度2 検索するべき言葉 死体 真実 黙読注意 エベレスト標高8000mに眠る遺体の画像の数々がヒットする。 エベレストにはいまだに150体もの遺体が凍結したまま放置されているらしい。 また、ショッキングな画像も多数載せられているので注意。 分類:グロ、真実 危険度:2 コメント 作成乙です。タグにグロを追加した方が良いのでは? -- 蒼真 (2012-03-07 07 12 53) エベレストェ… -- 名無しさん (2012-03-07 07 30 40) 乙。そして人は何故、山へ登りたがるのでしょう・・・・。 -- SEA (2012-03-07 07 43 36) 削除しました。 死の山の名は伊達じゃなかった... -- 一刀 (2012-03-07 11 03 52) 2件削除しました。 ↑×5 そこに山があるからです。 -- ホワイト (2012-03-07 14 15 23) これを載せた人は、遭難した人の死体を載せてるのか?だったら(遭難者の遺族)検索すべき言葉かもしれないなぁ……… -- 黒き太陽神 (2012-03-07 16 36 01) それじゃあ、エベレストより登頂するのが難しいアコンカグアはいったい・・・。 -- ディアルガ (2012-03-07 17 51 19) 好きなことをして死ぬのはある意味幸せかもしれないな。 -- アポロン (2012-03-07 18 01 55) 登山中に死体あったら泣くわ -- 私 (2012-03-07 18 16 36) 3件削除しました。 遺体が何年も回収されず、名前を付けられランドマークになっているとは。登山のプロでさえ命を落とす山の過酷さの一端が垣間見えた気がする。 -- 名無しさん (2012-03-07 22 02 42) 動画消されてる -- 名無しさん (2012-03-07 22 27 38) 山を登るときは、それなりの覚悟が必要だと思わせられた -- 名無しさん (2012-03-08 00 21 01) ↑違った、『考えさせられた』 -- 名無しさん (2012-03-08 00 21 53) [2件削除済み] 俺らに出来る事はご冥福をお祈りすることぐらいだ。低音低湿ゆえにミイラ… -- ローディー (2012-03-09 08 37 14) [2件削除済み] そういやエベレストって登山料三百万くらいかかるって聞いたが…… -- 名無しさん (2012-03-09 21 08 12) なんでこんなに↑マークだらけなんだwとてつもなく読みにくいwwww -- うご検 (2012-03-09 21 37 16) ご冥福をお祈りします -- 名無しさん (2012-03-09 21 54 36) こんなこと知ったら、イモトはとてもすごい人間だと思うよ -- kk (2012-03-10 20 29 30) 自然の厳しさとそれにあえて挑む人間、とても考えさせられました。覚悟をきめた人達にグロだなんて失礼です、むしろ検索すべきかと -- 名無しさん (2012-03-10 22 37 44) イモトはたしかにすごいが、まわりにいるプロの人たちがいるからこそ成せるもの。けど、明らかに登山家でもない人間にやらせる枠を越えてるな。調子にのるスタッフは標高の高い山に次々と登らせたがるが、もちろん、プロの人は無理だと断る。番組向上の為、どうしても登らせたいスタッフは適当にokだした奴やつや、たまたまokだしたやつで 寄せ集めの登山グループを結成する。=事故る。 運がよくても凍傷 切断は免れないな。 -- 名無しさん (2012-03-10 23 56 20) 芸能人が登山に挑戦とかは何かで上に送ってもらってるだろどうせ、それっぽい雰囲気出してるだけだな -- 名無しさん (2012-03-11 10 54 43) マロリーの遺体、皮膚が綺麗に真っ白… -- 名無しさん (2012-03-12 02 38 48) 例え人の技術が進んだとしても自然の力にはかなうまい。 -- 名無しさん (2012-03-13 16 55 13) 本当に凄いよね。凍ったままなら腐り落ちることもないのだろうか。一生成仏出来ないだろうなぁ -- 名無しさん (2012-03-13 18 57 17) エベレストにはデスゾーンあったよな -- 名無しさん (2012-03-13 19 57 09) 世界一受けたい授業でエベレストの現状を扱ってたとき、チラッとですが回収できない死体の映像が出ていたのを思い出しました。 -- バハナン (2012-03-18 23 51 24) 見て来た、緑の靴よりも白骨化ねえさんにびびった。 -- 名無しさん (2012-03-20 14 43 21) アイスマンもこの部類に入る。 -- たわし (2012-04-01 08 24 37) 好きな事をして死んだんだな -- 北のクンニから (2012-05-03 16 00 18) 島崎三歩もエベレストで死んじゃったね -- 名無しさん (2012-09-05 23 12 37) これ、なんかの番組でやっていたな・・・ -- 名無しさん (2012-09-06 22 58 24) 削除しました。 NAPALMDEATH -- 名無しさん (2012-11-26 11 11 37) 野口健が言ってた。体だけ綺麗なまま残って頭部は白骨化してる死体とかもあるらしい。その死体を踏まないと上に登れないところもあるそうだ。 -- 名無しさん (2013-02-04 22 38 42) 俺の屍を越えて行け。 -- 7743 (2013-02-05 00 14 49) ↑普通でも笑えないが、見てしまったらもっと笑えない。 -- すばる (2013-02-05 20 09 49) ↑↑↑つべにあるドキュメンタリーで実際それっぽいの踏んでるのあるよな。忍びない気もするがしょうがないのかな。 -- 名無しさん (2013-02-05 23 45 23) 栗城さんでも無酸素登頂を挑戦したのですが、やはり無理でしたね。 -- 愛国者の元陸上自衛官@切込隊長 (2013-05-05 19 30 17) 今は亡き、ジョージ・マロリー氏は偉大なる人ですね。 -- 愛国者の元陸上自衛官@切込隊長 (2013-05-05 19 34 29) 登山をする人達 山を甘く見るな -- れいな (2013-06-16 22 13 20) ↑同感。 っつーか、まず、山に何故登るの?最近富士山世界遺産になったから登山ばっかしてるじゃん?富士山ももうすぐ噴火するから富士山でこういう悲劇も・・・・ギャアアアアア -- スイマヤー (2013-08-04 11 01 56) ていうか登山をする人たちを馬鹿にするなよ、別に甘く見てるわけでもないし、富士山ならともかくエベレストに登るのには相当な覚悟が必要だからな。それでいて亡くなってしまった方を批判するのは言語道断だぞ。 -- 名無しさん (2013-08-04 12 24 50) Qあなたはなぜ山に登るのですか Aそこに山があるから Qあなたはなぜチルノが好きなのですか Aかわいいからwww -- チルノ⑨ (2013-08-12 12 08 52) ↑その流れだと、Aそこにチルノがいるから じゃね?www -- 名無しさん (2013-08-12 14 17 42) 「虹色の谷」でも同様の画像が出てきます。ジョージ・マロリーの遺体写真もあります -- フリッピー (2013-08-12 15 45 25) ttps //www.google.co.jp/ -- 名無しさん (2013-08-12 15 48 04) ↑3そうかも -- チルノ⑨ (2013-08-12 16 11 15) 50年前に亡くなった人もいるとか -- 黄色い電気ねずみ (2013-11-23 20 41 06) 日本の谷川岳が世界で一番死者多い山だぞ -- 名無しさん (2014-04-24 10 17 39) イモト……見たんかな……? -- リリー (2014-07-16 19 51 04) 回収しようにも環境がなぁ…… -- KK (2014-08-24 08 25 50) 写真撮る暇あるなら回収出来るはずなんだよな -- 名無しさん (2014-09-10 21 31 43) ご冥福をお祈りします -- 名無しさん (2014-10-21 04 06 10) ある意味価値ありそう -- 名無しさん (2015-06-09 19 28 45) アイスマン思い出す -- かめかめ (2015-08-04 15 34 32) 「虹色の谷」でも類似した検索結果が出ますよ。 -- タコス (2016-08-22 23 00 34) 登頂の通行料から、それに必要な鍛錬等、超えなきゃいけないハードルはたくさんあったはずだし、そこまでしたなら敗れても自業自得というか本望であるのでは -- 名無しさん (2017-10-30 02 40 55) リアルアイスマンだな -- 名無しさん (2018-04-24 19 33 17) Qあなたはなぜ山に登るのですか Aそこに山があるから Qあなたは何故メタトンが好きなのですか Aそこにメタトン(と神曲)があるから -- メタトンNEO (2020-06-20 15 21 10) エベレストのイメージがガラリと変わった。今まで安全な山だと思ってた。 -- ゲーム太郎 (2021-03-12 17 15 33) でもイモトってエベレスト行く前に中止になったんだよね… -- ナイル (2021-05-10 17 07 57) 雪の中での登山が苦手になる😞 -- 名無しさん (2021-06-07 07 50 28) こういうのが某SCPの元ネタになったんかな -- 名無しさん (2021-06-23 01 15 40) 絵を描く時に間違えて検索したらえらいこっちゃ… -- 名無しさん (2021-06-23 03 01 19) 別に凍ってるわけでもないけど、我が日本国の富士山でも滑落事故起きてるからね。登山するならあんま高くないやつがいいかも -- ikayaki462 (2021-10-04 16 44 27) これグリーンブーツ目印に登山ルート別れていたよね。 -- 名無しさん (2021-11-28 16 32 44) 遺体だらけの山とか入るのすら嫌過ぎる -- 名無しさん (2022-03-19 16 00 08) 変な話だけど、登山家にとって山で命を引き取るのは本望なんじゃないかなとも思う -- 名無しさん (2023-05-23 17 05 25) ↑10 それな -- s.s (2024-05-27 11 26 31) マロリーの背中は白くて綺麗でなんかこう心に来るものがあった……グリーンブーツのWikipedia記事だと向きが変わってる(上を向いている面が左右変わっている)みたいなことが書いてあってそっちのほうが怖い。 -- 名無しさん (2024-05-27 12 29 17) 一気に山登りたくなくなったぞ怖すぎ -- めろん (2024-08-11 18 53 51) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/syougakujosikouyuri/pages/32.html
おませさんには指導を(仮題)の続編です 暑い。 私は額から流れ落ちる汗をハンカチで押さえた。 「詩織さん、手が止まってますよ」 「センセ、ムリ」 詩織は椅子の背もたれに体重を預けて完全に脱力していた。 いつもなら快適な室温を保ってくれるエアコンが、昨夜急にうんともすんとも言わなくなってしまったらしい。 だから詩織の部屋は蒸し風呂状態である。 「だいたい、なーんで日曜日まで勉強しなくちゃいけないの」 「それは詩織さんがこの前のテストで60点しかとれなかったからです」 「60点もとったら充分でしょ」 「80点以上とる約束、でしたよね」 「まあいいじゃん、固いことは」 笑ってごまかそうとする詩織に、私は軽い苛立ちを覚えた。 いけない。これくらいで怒るなんて大人げない。 私は、冬生まれのせいか暑さは苦手だった。 おかげで最近頭がボーッとなることが多い。 今日も詩織の声はどこか遠くに聞こえるし、どうもよくないのだ。 「ねえ朝子先生」 「なんですか」 「海行こうよ、海。こんなとこで勉強してたって効率悪いだけだもん」 「海、ですか……」 それは魅力的な提案だった。 確かにこの環境では、勉強したところでなかなか身にならなそうだ。 気分転換も大事かもしれない。 「いいですn――」 答えようとした瞬間、私の脳裏に浮ぶビジョンがあった。 ビキニのトップをはずし、こどもらしからぬ妖艶な笑みを私に向ける詩織。そして―― 「ねえ、朝子先生。サンオイル、塗ってくれる?」 「あ……」 目眩がして、私はとっさに詩織の肩につかまった。 「せ、先生? 大丈夫?」 危ない。海は危ない。 「いけません! 海なんて絶対にダメです! 危険です!」 「き、危険?」 私の剣幕にびっくりしたのか、詩織が少しのけぞる。 しかし彼女はめげなかった。 「あ、ならさ、プールはどうかな?」 「プールですか」 なるほど、プールならサンオイルなんてこともない。 「いいですn――」 答えようとした瞬間、詩織がつぶやいた。 「わたし、新しい水着がほしいなあ」 水着!? その時私の脳裏に浮んだのは、なぜかスクール水着を着た詩織の姿だった。 幼い肢体。小さな膨らみ。そして―― 「ねえ、朝子先生。わたしに泳ぎ方教えてくれる? 手取り、足取り……うふふ」 「あああっ!」 頭を抱えて思わず身悶える。 詩織がちょっと怯えていた。 「朝子先生、だ、大丈夫……じゃないよね?」 危ない。プールは危ない。 「ダメです! プールなんてダメに決まっています!」 「あ、そ、そう……」 「まったく、詩織さんは無防備すぎます」 「は?」 「わかってるんですか」 「いや、あの、ごめん全然わかんない」 詩織は困惑を隠そうともせず、さっきよりもさらにのけぞっていた。 いけない。これはまずい。 やはり暑さが私から冷静な思考能力を奪っているのだ。 落ちつかなくては。 落ちついて、勉強できる場所―― 「あ」 「こ、今度はなに?」 なんだ。こんな簡単なこと、どうしてすぐに思いつかなかったのだろう。 「詩織さん、私の家へ行きましょう」 「え、朝子先生の部屋? 行きたい」 詩織がすぐに立ち上がり、嬉しそうにピョコンと跳ねた。 「はい。あ、い、いえ、リビングですよ。リビングにしましょう」 「え~っ。いつんなったら入れてくれるのぉ」 「んー、そのうちに」 「いっつも、そのうちそのうちって……」 詩織はぶつぶつと文句を言っていたが、強引に上がりこむつもりはなさそうだった。 私の部屋には入れるわけにはいかない。 なぜなら私の部屋では、先日勢いで用意したばかりの特大パネル仕様『ラブラブ詩織ちゃん』がにっこりと微笑んでいるからだ。 本当に、夏は危険な季節である。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/abouttaima/pages/19.html
以下、財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターウェブサイトからの引用として [ 大麻の症状 ] 時たま使用する程度で、これを見破ることは困難です。ただし、大麻には独特の甘いような臭いが、相当長時間 衣類などに付着して臭います。(甘い香りと言われますが、むしろ蓬を燃やした時のような一種刺激的な強い臭い で、「クサイ」と感じる)従って、乱用者達は、この特徴的な臭いを消すために、ファンを回したり、お香を焚いたりし ます。常習的使用者はカラ咳を頻繁にしますし、目が充血していたりします。金遣いも荒くなりますし、使途など 明確な説明が付けられないことも多くなりますので、これらもある種のヒントになります。家庭から頻繁に物が無く なったりする場合、大麻との交換や入手資金として使われていることもあります。その他の危険信号としましては、 1. 忍耐力に乏しく欲求不満に陥りやすい 2. 感情の起伏が激しく、喜怒哀楽の振幅が非常に大きい 3. 頭は常に朦朧状態・・・例えば、昨日何をしたのかも思い出せない状態 4. 鬱状態、自己陶酔、まやかしの行動、病的虚言 5. 学業・就業成績の低劣化、体育活動その他本来求められているもろもろの活動への不参加 6. 交通違反、破壊行為、万引きなど様々な違法行為 一番のめやすは、嘗ての状態と比較し、著しい行動パターンの変化が見られることでしょう。行動は的外れで、 交際関係もガラリと変わり、身なりに無関心となり、まるで人が変わったように見えます。 こうした変化は数カ月から一年位の間に徐々に顕れますが、いずれは永久的に大麻乱用者の人格として固定してしまうのです。 引用元: 薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ http //www.dapc.or.jp/data/taima/3.htm コメント これは体制側が作ったサイトですね確か。引用がないというのも何かレベルが知れてますね -- kazu (2010-04-30 15 40 42) アルコール常習者の特徴 -- 名無しさん (2010-08-07 16 57 50) http //youtu.be/ITCCeK75Hss とりあえず管理人みろやうそつき -- あ (2012-06-25 10 21 29) どこのなんていう研究所が、いつ、どういう人体実験して、出てきた研究結果なの? -- で (2013-05-03 10 08 02) 依存性がないなら別に大麻なんて吸わなくてもいいと思うはず。ここでコメントしている人は何故大麻を擁護して合法化に必死なの?要するに大麻が吸いたいからだろ、それこそ依存性の証拠。 -- 名無しさん (2014-01-31 22 33 29) 必要がないから規制しろ・・・典型的な詭弁のそれですね -- 名無しさん (2014-02-12 08 21 25) 一財団法人がエビデンスもなく書いたステレオタイプで、薬物依存の怖さしか伝えることを考えていないと思います。規制したい側からしたら消したい黒歴史でしょう。警察批判のストローマンに使われるだけ。厚労省関係のソースを使った方がいい… -- tekuteku (2021-09-27 01 51 26) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nekogoya/pages/94.html
「気楽に言うけどさぁ」 さつきがぼやく。 「自分はいいよ?騎体ぶっ壊して、未だ直んないんだからさぁ」 「……しかたないだろう?」 美奈代がため息まじりに言った。 「長野教官騎は胸部中破。二宮教官騎に至っては左腕全損だもの」 「……まぁ、私達も、装甲かなりやられてるけど、動くことは動くものね」 あの反応弾爆発によって、部隊全騎が何らかの損傷を負った。 その中でも重度のダメージを受けたのが、衝撃波に吹き飛ばされたメサイアをモロに喰らった長野騎と、同じく超音速でシールドを突き破って飛来したメースの破片によって、左腕を肩の根本から切断された二宮騎だ。 共にハンガーデッキで未だに損傷カ所の修理中だ。 さらにその横では、コントロールシステムの故障で稼働出来ない山科教官騎がベッドに寝かされている。 詰まるところ、この作戦において教官達が動かせる騎体がないのだ。 では、美奈代達の誰かの騎を明け渡すことは? そう考えるのが普通だろうが、個人専用の調整がいろいろと施されている関係上、信頼性の観点からすれば、こちらこそ、むしろコクピットを入れ替えた方が望ましい。 それだけに、今回の任務は、候補生達だけでこなすことになる。 いつ、どこで反応弾が爆発するかわからない状況を、戦闘経験が浅い美奈代達に不安がるなという方が無理だ。 「誰か核弾頭の解体方法、知ってるの?」 「ケースごと回収しろと言われていますけど?」 「山崎君……万一に備えてだよ。万一に備えて」 「……ああ」 山崎は、ぽんっとその巨大な手を叩いた。 「僕では放射線防御服が着られませんし」 その視線が、横を歩いていた都築に注がれる。 「……そうね」 美晴達も何故か無表情に頷いた。 「それしかないもんね」 「な……なんだよ」 「―――ご愁傷様」 ●魔族軍司令部 「人類側が動かない?」 「……少なくとも」 カーメン大佐はユギオに答えた。 「ここ12時間以内に、タナ湖付近に展開した人類側部隊は存在しません」 「……あの武器をちらつかせれば」 おっかしいなぁ。と、ユギオは首を傾げる。 「人類は乗ってくると思ったんだが」 「情報を人類側にリークしたのは確かなのですか?」 「間違いない。カーメン大佐。本当に、人類は動かないのか?」 「はい。メースの格納庫として利用していたあの洞窟に誘い込んで、敵を一網打尽にするという、閣下の計画は、やはり無理があったのでは?」 「そんなはずは……」 ●大英帝国 ロンドン ダウニング街10番地 「出所はどこだ?」 「不明です」 大英帝国首相、ダニエル・ヒースの問いかけに、ロバートソン国防情報本部長はそう答えた。 「最悪でも、魔族軍が反応弾を作り上げたという報告はありませんが」 「私も、高速増殖炉をアフリカで見たという報告は眼にしたことがなかったな」 短く苦笑いしたヒース首相は、紅茶に手を伸ばした。 「―――アフリカは非反応弾地帯だったはずだ」 やりたまえ。 ヒースの誘いに一礼しつつ、ロバートソンは目の前の紅茶に手を出した。 「その通りです。閣下」 ロバートソンは紅茶を楽しみつつ、頷いた。 「戦前というより、アフリカに国家が存在した頃の1978年、アフリカ連合はアフリカ大陸全域を、非反応弾地帯化する宣言を実施しています。何より、反応弾を開発・保有するだけの力を持つ国家は、アフリカには存在しませんでした」 「新大陸軍が、敗北の腹いせにばらまいた代物が今頃になって爆発したとでも?」 「反応弾は全弾の爆発を我々が確認しています。ありえません」 「……だとすれば、誰かが持ち込んでいたと?作ることが出来る国が持ち込んだ代物が?」 「おそらく」 ロバートソンはティーカップを戻した。 「……そういうことかと」 「どこのバカだ」 ヒースは腕組みをしながら豪奢な革張り椅子に背中を預けた。 それでも、顔は皮肉めいた笑みを浮かべている。 「おかげで……何騎だ?」 「36騎です。閣下」 ロバートソンは悲しげに肩をすくめた。 「反応弾は予想外でした」 「魔族軍が、アフリカに不法に持ち込まれていた反応弾を流用した……か」 「先の戦争で、かなりの苦渋を強いられたのですから、妖魔共も威力だけは知っていたというところでしょうか?」 「おいおい。君は本気でそう言っているのかい?」 「半分程度です」 ロバートソンは首を横に振った。 「すでにその犯人は、確保されています。ご存じのはずです」 「ああ。アフリカで中国人が捕虜になったと聞いたぞ?」 「はい」 「すばらしい。今晩は特上のウィスキーを開けることにするよ」 「―――何よりです」 ロバートソンはようやく笑顔を浮かべることが出来た。 ぬるくなった紅茶が喉を潤す感覚が楽しい。 「さて……そちらは後の議論としよう。問題は」 「反応弾の回収は日本軍に」 「問題は―――回収された後のことだ」 「……」 「ローマが考えたシナリオは、反応弾を日本軍が回収。我々は、それを理由にあの連中を叩こうという代物だ。だが、そんなことが簡単に出来ると思うか?」 「……と言いますと?」 「利に聡いあの連中が、今、何もしていない……君は本気でそう思うか?そう聞いたのだ」 「連中が悪魔の耳を持っているとでも?」 ロバートソンは苦笑いに近い作り笑顔を浮かべた。 「私は、連中ではありませんから」 「連中は、ローマの切り崩しに動いている。事態が発覚して以降、連中が大陸の各国政府要人へ送った賄賂は我が国の国家予算並みだ」 「そ、それは」 ロバートソンの顔から笑みが消えた。 唖然とするロバートソンに、ヒースは冷たく言った。 「―――無論、我が国の政府要人も含まれている。私が君をここに呼んだ理由はわかったな?」 「……っ!」 ガタッ! ロバートソンの腰が椅子から浮き上がった。 「座っていたまえ」 ヒースの口調は有無を言わさない、大英帝国の第一大蔵卿としての威厳に満ちていた。 「君が情報の見返りに受け取った600万ポンドは、国庫として有益に使わせてもらおう。 君の今までの国家に対する貢献には深く感謝している。 家族のことは心配しなくていい」 「―――っ!」 顔を真っ赤にしたロバートソンは、椅子を蹴ると懐に手を伸ばした。 ダンッ! 銃声の後、ロバートソンは糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。 「……」 ヒースは、ぴくりとも動かなくなったロバートソンを冷たくみつめながら言った。 「―――ご苦労だった」 「……残念です」 拳銃を懐にしまいつつ、カーテンの陰から現れたのは、仕立ての良い背広に身を包んだ銀髪の男だった。 高い背と骨格のしっかりした筋肉質の体つき。 外見はすでに老年に達しようとしているが、気品にあふれる精悍な雰囲気は、若い頃、さぞご婦人方にもてたろうと容易に想像出来る。 ヒースの腹臣、ボンド卿だ。 上質の子羊の手袋をつけたボンド卿の指が鳴ると、彼の背後に控えていた若い男達がロバートソンの死体を死体を片づけにかかる。 「ロバートソンは、敬虔な国王陛下の忠臣として、常に国家に貢献した方でした」 「札束は忠臣さえ狂わせるものさ」 そう答えるヒースの視線は、“お前は?”と訊ねている。 「金も女も、酒でさえ、最早私は飽きましたよ」 ボンド卿は笑って言った。 「飽きることのないのは―――これだけで」 ボンドは、背広の中にしまった銃を軽く叩いた。 「それはどうかな?」 ヒースが苦笑するのも無理はない。 「彼女をからかうのが生き甲斐だと聞いているが?」 「……ああ」 ボンド卿は頬の湿布を上から軽く掻いた。 「ちょっとやりすぎました」 「何をした?」 「挨拶代わりにお尻をなでたら殴られました。生理中だったようで」 「往年のプレイボーイの面目が立つまい」 「何」 ボンド卿は笑って答えた。 「私にとって、彼女は娘です。問題はありませんよ」 「そう願おう。アフリカの状況は?」 「新大陸軍が反応弾回収のために特殊部隊を派遣しました」 「―――ん?」 ●魔族軍司令部 人類が動かない。 その答えは、意外と簡単だ。 EU軍がアフリカ全土に投入していたメサイアのうち、すでに相当数がメースとの戦闘で破損し、さらにここに反応弾による攻撃が加わったことで、メサイアの稼働率は壊滅的な状況に陥っていた。 つまり、反応弾回収に動員出来るメサイアがEU軍には存在しない。 理由はそれだけだ。 「どうなさいます?」 「……まぁ、ならしばらく待つさ」 「待つ?」 「生モノじゃないんだろう?人類側がのんびりでも来てくれて、大勢が洞窟周辺に攻め込んできてくれれば、それでいい―――ところで」 「は?」 「“鍵”の探索は?」 「エーランド少佐の部隊が追跡中です」 「成果がなくて、被害ばかりなのは君の部下のせいか?」 「……」 「時間がないんだ。いかなる手段をもってしても奪還しろ」 「―――はっ。それならば朗報です」 「ん?」 「3時間前、“鍵”のいる飛行艦が、エチオピア高原に入りましたこのままですと、タナ湖付近にさしかかります」 「何だって?」 美奈代達は1600時に“鈴谷(すずや)”を発艦。 部隊長は染谷が任命された。 任務は、洞窟内部に隠されているはずの反応弾の奪還。 武装は35ミリ機動速射野砲と広域火焔掃射装置(スイーパーズフレイム)が主力だ。 「閉鎖空間内部での広域火焔掃射装置(スイーパーズフレイム)の使用は極めて危険だ!使用には十分に注意しろ!」 長野と二宮から何度も警告が入るのを聞きながら、美奈代達はカタパルトでアフリカの空に送り出された。 「……あの、泉候補生?」 恐る恐るという声で、牧野中尉が声をかけたのも無理はない。 「何か」 そう答える美奈代の顔は最悪だ。 「そんなに怒ることないじゃないですか」 牧野中尉の膝の上には、美奈代を恐れて“さくら”が逃げ込んできている。 「自分は別に何も」 「……染谷中尉のこと、意識しすぎです。そりゃ……」 クックッ……。 牧野中尉の口から苦笑が漏れる。 「あんなの目の前でやられれば……」 ハンガーデッキでメサイアに搭乗しようとした染谷に、美奈代が近づいていた。 ただ、せめて出撃前に会話がしたかっただけだ。 部隊長を任じられた染谷を励ましたい。 出撃前に、染谷の声が聞きたい。 その程度だったのだが――― 「瞬!」 その美奈代の目の前、ハッチを開いて“幻龍改(げんりゅうかい)”のコクピットに乗り込もうとする染谷に無重力空間を流れながら抱きついたのは、フィアだった。 「フィア!?」 突然の闖入者に驚く染谷は、抱きつかれたまま宙を流れる。 「準備、大丈夫?ご飯食べた?忘れ物ない?」 真剣な表情で的はずれなことを訊ねるフィアの手は、必死に染谷の襟元を正していた。 「だ、大丈夫だって」 苦笑しながらそっとフィアの手を止めた染谷は答えた。 まるで迷子になった子供のようにおびえた瞳で自分を見るフィアの瞳に気づいたのは、その時だった。 「―――帰ってくるから」 右手でフィアの手を握りながら、染谷は、自分の左手が、フィアの腰に延びていることにまるで意識が回っていなかった。 そして――― フィアを強く抱きしめた。 「必ず帰ってくる―――僕を信じて」 微笑んでみた。 それで安心してくれたのか。一度小さく微笑んだフィアは、そっと瞳を閉じた。 男として、フィアが何を求めているのかはわかる。 そして、男として、フィアに何を求めているかもわかる。 だから――― 染谷は、そっとフィアと唇を重ねた。 当然。 目の前でそれをまざまざと見せつけられた美奈代が面白いはずがない。 染谷騎からの通信を公然と無視しつづけている。 周りも、さすがに美奈代に遠慮して、というか恐ろしくて、通信さえしてこない。 「前衛は染谷と山崎で務める。中衛には柏、早瀬騎、殿(しんがり)は都築と泉で」 フォーメーションの指示でさえ、美奈代は完全に聞き流していた。 「あの……候補生?」 「殿につけばいいんですよね?後方警戒しつつ」 そう答える語気は荒く、恐ろしいほどつっけんどんだ。 「そう……ですけど」 牧野中尉は言った。 「人間、あきらめが肝心ですよ?どうですか?都築候補生とか」 「中身ゴリラと恋愛する趣味はありません」 ―――何よ。 美奈代は一人内心で愚痴っていた。 ―――そりゃ すでに洞窟の入り口にさしかかっている。 山崎騎から受け取った手榴弾を受け取った都築騎と染谷騎が洞窟の中へと手榴弾を投擲、洞窟が崩壊しないか心配な程の爆風が入り口から噴き出した。 ―――私は、あの子程可愛くないわよ。 「染谷騎より“鈴谷(すずや)”。これより洞窟内部に侵入する。ジャミングがひどく、以降は通信不能となる可能性大。留意されたし」 「“鈴谷(すずや)”了解―――ご武運を」 「感謝する―――部隊全騎へ!行くぞっ!」 35ミリ機関砲を叩き込み、反撃がないと知った染谷騎と山崎騎がシールドを構えて洞窟内に入る。 「さつきさん!」 「あいよっ!」 続いて美晴とさつきが入り、宗像がそれに続く。 殿は都築と美奈代だ。 「先行くぜ?フラレ女!」 「何だとぉっ!?」 end